LIFE IS STRANGE

人生も為替も山あり谷あり

「高速バス事故はなくならない」の構造

 

高速バス業界の抱える問題点てなんでしょう。

 

  • 過酷な労働環境
  • 世間に過酷な仕事というイメージがない
  • 人手不足
  • 運転手の高齢化

 

パッと思いついたのはこのくらい。

 

 

世間が思ってるバス運転手の仕事のイメージとはどんな感じだろう。

 

多くの人は、単純労働だと思ってるはず。基本的に決められたルートを定められた時間内に運転する。大型自動車の免許があってそれなりに運転に慣れれば簡単な仕事なんじゃない?と思ってる人多いでしょう。

 

 

以前は地方に住んでいたので、高速バスをよく利用して長距離を移動したもんです。5,6時間もの長い時間高速道路を運転し、夜行バスとかになればもっと長くなります。

 

 

高速道路を運転したことのある人なら分かるでしょうけど、あそこを長時間走るのはかなり疲れますよね。常に気を張ってないといけません。

 

 

これが例え、高速の運転に慣れたとしても、連日のことだったり、睡眠不足であったり、疲労が溜まってるなどの問題を抱えている状態であったりするとかなり過酷な業務となりますよね。まして、大勢の客を抱えています。高速バス運転の何が大変なのかを以下にまとめると。

 

  • 高速道路の長時間の長距離運転
  • 連日の勤務
  • 道路状況がどうであれ時間内に目的地に着かなければならない
  • 大勢の客を乗せての走行

 

         

 

 

残念ながら、この業界での運転手の労働環境をしっかりと整えてる企業は実際多くないでしょう。

 

 

なぜなら、世間が単純労働だと思い込んでいる。

日本は勤勉な人々のいる国というよりは、根性論によって強制的に働かせる慣習のある国ですから、誰にでもできるんじゃないの?という仕事に対してはとにかく劣悪な労働環境を提供します。

 

 

私が高速バスに乗った時、渋滞が起きていたんですが、数分でも遅れたら苦情が出てしまうこともあるので、運転手はスピードが出せるところではかなりスピードを出していました。こんなにスピード出して大丈夫か、とも思うほど。でも実際これは珍しいことではありませんでした。きちきちと時間が決められているので、時間内に到着しなければならず、遅れた場合あとのスケジュールにも影響してしまう。

 

 

していることに高度性はないのかもしれませんが、過酷な仕事であることはいうまでもないでしょう。

 

 

でも、実際は過酷だという認知がないので待遇は良くなりません。

 

 

そして、一度事故が起きてしまえば、世間のイメージは悪くなります。業務改善に躍起にはなるけど逆に運転手には余計な業務が増えて過酷さが増す可能性もあります。

 

 

運転手の労働環境が整えられないうちに業務改善に走っても事故なんてなくなりません。

 

 

こうやって過酷だけどそういうイメージがないので待遇はよくないわけです。なので、若い人の人手不足が生じ、運転手の高齢化が進む。こんな過酷な労働を50も60も過ぎた人が連日長距離を走るのはどう考えても無理があります。

 

 

人が集まらないならば普通は給料面だけでもあげて人を集めようとするものですが、この国は基本的にそういうことをしません。会社にとっては一番人件費が高くつくので、利益を追求する上ではとにかくそこを安く抑えたい。一人の社員を根性論の名のもとに使い通す。自ずと高齢化も進み、一人あたりの負担も増えていきます。

 

 

 労働者を軽視し、消費者を重視し、法令ギリギリのところで利益を追求していた。当然の結果が招いた事故であって会社側に免責の余地はありません。

 

 

しかし、事故で初めて注目が集まるにすぎず、このような会社はいくらでもあるでしょう。今回の事故も氷山の一角であって今後も事故がなくなることはありません。